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2026年度版|私立大学志願者数ランキング

新年度を迎え、2026年度入試の志願者数ランキング※1が公開されました。この記事では志願者数の動向を見ながら、現在の大学受験を取りまく主要なトレンドを解説します。大学受験を俯瞰的にみるきっかけになれば幸いです。

※1 数値は特に特に言及がない場合、大学通信社の「2026年私立大学志願者数ランキング」を参照しています(参照元:https://univ-online.com/article/exam-column/36908/)。同ランキングは、主要私立大学100校を調査した一般選抜の志願者数で構成しています(2部・夜間コース等を含む)。

近畿大学首位奪還、志願者数17万人を超え過去最多に

2026年度の志願者数ランキングでは、近畿大学が首位に返り咲く結果になりました。同大学の一般選抜志願者数は174,789人と過去最多。総合型選抜等他の受験形式を含む総志願者数も5年連続で20万人を超え、2026年度は総志願者数234,245人と初めて23万人の大台を超えています※2

2位は昨年度1位の千葉工業大学。充実した学習環境を備え、共通テスト利用での検定料無料や学科を超えた併願での追加試験をなくすなど受験生ファーストで人気のある同大学は、志願者数160,170人(昨年比-1,835人)と、微減する結果になりました。

とはいえ、3位を4万人以上引き離しており、引き続き志願者数でみると「近大・千葉工大の2強」状態が続いています。

※2 近畿大学プレスリリース

志願者10万人越えが6大学、「日大復活」を印象付ける結果

近大、千葉工大に続くのは3位・東洋大学(119,233人)と4位・明治大学(115,012人)。東洋大学は2025年度の年内入試で基礎学力テスト型を導入し話題になりましたが、今年度は志願者数を5,000人伸ばし、明治大学と順位を入れ替える結果となりました。東洋大学は入試結果公表に際して、志願者の基礎学力レベルの上昇もあり、「ステージが一段上がった」とし、「一般選抜では数学利用型入試の受験者も大きく増加している」と語っています。

そして、昨年から順位を上げて5位に入ったのは日本大学(昨年度8位)。2025年度実績(92,232人)から志願者数を19,670人伸ばし、2026年度は111,902人。昨年比の増加数でみると、近畿大学の前年比+17,226人を超えて「もっとも志願者数を伸ばした大学」となり、「日大復活」の感があります。これにより、志願者数10万人を超える大学は昨年度の5大学から、今年度は6位・法政大学(111,240人)も志願者数10万人を超えており、人気上位大学に一般選抜でチャレンジした学生が多かったのではないかと推測できます。

関東・関西が上位独占も名城大学が大健闘

30位まで広げても、やはり上位を関東・関西の大学がランキングを独占しています。その中で上位に入ったのが愛知の名城大学です。志願者数は58,144人で第14位。昨年度の18位(志願者数46,208人)から志願者数を11,936人増やし、トップ30圏内でもっとも順位を上げました。

名城大学は伝統のある理工学部を中心とした理系学部に複数の文系学部を有する東海最大級の総合大学です。開学100周年の節目にその存在感を増していると言えるでしょう。

また、福岡大学も昨年に続き上位にランクイン(20位・志願者数49,739人)。志願者数は+3834人と堅実に伸びており、引き続き受験生の人気を集めていることがわかります。トップ30にはその他に愛知の中京大学(27位・志願者数32,561人)がランクインしました。

「2026年問題」は地方に大きな影を落とすか

ランキングを50位まで拡大すると、関東、関西に続き、愛知の大学が増えます(31位:愛知大学、43位:南山大学、48位:愛知学院大学、49位:中部大学)※5。また、他には福岡に拠点を置く福岡大学(20位)、西南学院大学(44位)、九州産業大学(47位)がランクインしています。しかしながら、志願者数の上位50大学中、東名阪とその周辺都市圏を除く地域でランキングに食い込んだのは福岡の3大学だけとなりました。

2027年度入試は「2026年問題」といわれるように、「少子化による18歳人口の減少が大学進学率の上昇を上回る」とされています。志願者獲得の競争はこれまで以上に苛烈になり、東名阪の上位大学志願者数が軒並み増加していることを鑑みると、学生は大都市に流れており地方の大学はこれまで以上に志願者確保に苦戦することが予想できます。

※5 30位以下のランキングはこちら

理工系大学が人気、トップ30圏内の全大学が志願者増加

2026年度私立大学志願者数ランキングでは、理系大学の躍進も見られます。理系学部に強みを持つ大学を見ると、トップ30では名城大学(14位・昨年18位)、芝浦工業大学(19位・昨年20位)、京都産業大学(23位・昨年26位)が順位を上げており、中でも芝浦工業大学は過去最高となる53,156人の志願者を集め、昨ん年比の増加数も+14,649人と、日本大学、近畿大学に次ぐ増加数となっています。

東京理科大学(13位・61,979人)、東京電機大学(24位・37,998人)も昨年に続き志願者数を伸ばしており、理工系大学は好調であることがうかがえます。

理工系学部に関して、経済産業省は「2040年の産業構造・就業構造の推計」※3において、「現在の人材供給トレンドが続いた場合、職種と学歴にミスマッチが生じる」として、2040年には就労人口のうち理系大学・大学院卒人材が100万人以上不足するとことを予測しています。

また、文部科学省は理工系学部に関して、2024年から私立大学の理工農系学部での就学支援(学費の減免制度※4)を開始しました。こういった情勢を反映して、今後もさらに理工系学部に特徴を持つ大学の躍進は続くことが期待されます。

※3 2025年報告・経済産業省「2040年の産業構造・就業構造の推計 ※4 文部科学省「高等教育の就学支援新制度

おわりに

今回の私立大学志願者数ランキングは、近畿大学が首位に返り咲く、日本大学の復活など上位大学にも大きな動きがありました。しかし、この数字はあくまで一つの目安にすぎません。大学入試では「ある大学の受験者が増加し難易度が上がると翌年はその大学の志願者が減る」、いわゆる隔年現象も起きます。入試の在り方も大きく変わってきており、一般選抜だけでなく年内に行われる総合型選抜など、志望校合格への道は複数選べるようになりました。志願者数という周囲の動きは把握しつつ、しっかりと情報を集め、自分自身がそのキャンパスで何を学び、どう成長したいのかという「志」を再確認してください。 多様化する入試制度を味方につけ、納得のいく進路を切り拓かれることを心から応援しています。

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