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【イベントレポート・後編】算数オリンピック金メダリスト9年連続排出!「りんご塾」田邉亨代表トークイベント

りんご塾田邉代表トークイベント

2026年5月31日、三省堂書店神保町本店にて「りんご塾」代表・田邉亨氏によるトークイベントが開催されました(ファシリテーター:城南進学研究社・村上氏)。

算数オリンピックで圧倒的な実績を誇るりんご塾を運営し、人気教材『ヒマつぶしドリル』の著者でもある田邉氏は、どのようにして子どもたちにアプローチしメダリストを育てているのでしょうか。

後編では、りんご塾に通い算数オリンピックでメダルを獲得した子どもたちは小学生で何ができていたのか。そしてどういう進路に進んだのか、子ども思考力を育てるために親はどういうアプローチをしていくべきなのかについてお届けします。

前編はこちら:【イベントレポート・前編】算数オリンピック金メダリスト9年連続排出!「りんご塾」田邉亨代表トークイベント

最も重要なのは算数の能力ではなく「漢字が読めること」

村上氏:ここからは、家庭での親の関わり方について伺いたいと思います。まず、実際にメダルを取った子は何歳で何ができたのか教えてください。


算数オリンピックのメダリストは何歳で何ができたか?

  • 小学校入学までに漢字が読める(小3~小4年程度)
  • 小学校2年生で小学校の算数を8割理解
  • 4年生の中学受験算数テキストを利理解
  • 漢字が読めるから本が読め、算数に興味を持つ
  • 小さいことから熱中、没頭、専門的な知識

田邉氏:意外に思われるかもしれませんが、最も重要なのは「漢字が読めること」です。計算のスピードや数のセンスよりも先に、まず文字が読めること。

書けなくてもいいので、小学校3年生までに中学校レベルの簡単な漢字まで読めるようになっていると、世の中のほとんどの本が一人で読めるようになります。

自分で本が読めれば、予備知識も豊富になり受験対策もしやすくなります。

村上氏:これについて、僕は意外に思いました。算数の方に行くのかなと思ったのですが、一見算数とは関係のない漢字が読めるというのは。漢字が読めて本が読める、それを通じて周りに関心を持つというのが3年生の段階ではもっとも重要になるんですかね。

田邉氏:学校というシステムの中で圧倒的な成果を出す人は、例外なく「文字情報をハイスピードで処理できる人」です。どれだけ美術や音楽の才能があっても、文字を読むのが苦手だと、どうしても学校の勉強では遅れをとってしまいます。

1〜3年生の段階で、読書力や文字情報処理能力がずば抜けている子は、将来どのレベルの大学に行くかが大体見えてしまいます。

実際、体験授業のときに間違い探しや課題をやらせてみると、「あ、この子は将来東大や京大に行くな」というのは直感的に分かりますし、過去の生徒たちも本当にその通りになっていますね。

親は子どもの「熱中・没頭」を絶対に邪魔しない

村上氏:実際にご家庭ではどうずれば、豊かな教養と幅を持った子どもに育っていくのでしょうか。5つ挙げていただきました。


  • 漢字を読めるようにする
  • 本を読めるようにする
  • 計算をできるようにする
  • 算数を勉強と捉えない
  • 1つのことに没頭する、深い興味を持つ

村上氏:まずは漢字、本を読めること、そして周りのものに関心を持つことが何よりの土台になるのですね。家庭での具体的なアプローチとして、親が意識すべきポイントは何でしょうか。

田邉氏:1行目、2行目は同じことですよね。計算のスピードを上げることに関しては、あまり時間を割かなくてもよいだろうし、例えばそろばんでも構いません。

保護者さまに強く意識していただきたいのは、一つは算数を勉強と捉えないこと。もう一つは、ゲームでも昆虫でも電車でも、子どもが何かに熱中し没頭しているときは「絶対にそれを邪魔しない」ということです。

没頭し、のめりこんだ経験のある子どもは、いざ勉強に興味が出たとき、やらないといけなくなったときに集中力を発揮でるのではないかなと。

村上氏:先生はやっぱり没入するとか没頭するとか大事にされていて、やっぱり賢い子どもは没入する何かを持っていますよね。

「満点をとる」「合格する」がりんご塾の実践

村上氏:では、これがりんご塾での実践ではどうなるのかというのをお聞きできればと思います。


①満点を取る練習(全国模試)

②合格する練習(数学検定)

③算数思考力検定

④算数オリンピック(キッズBEE対策模試)

⑤りんご塾算数パズル教材


田邉氏:指導ではこのあたりを実践していくことになります。重要なのは満点を取る練習と合格する練習を同時に行うことですね。

まず学校の自分の学年のテストで満点を取って自信をつける。そして算数検定で自分の学年からどんどん飛び級していく。両方が大事です。

また、算数オリンピックの手前に算数思考力検定というのもあり、これにも挑戦します。

そこから算数オリンピックを勝ち抜くための、りんご塾算数パズル教材に入っていきます。教材は毎回の授業でも20分くらいは使いますね。

村上氏:満点をとることと合格することで、やるべきことは変わりますよね。ただ、これを両方やるのが重要だと。

田邉氏:そうです。この②がいわゆる受験テクニックです。先ほども話したように、私も最初の頃はこの②を重視しており、結果的にどの子も算数オリンピックで予選落ちしていました。

定期テストで満点をとる、次は模試で満点をとる、そういう満点をとる練習をしておかないと難しい問題であきらめてしまうことがあるので、満点をとる練習と合格する練習は両方重要になります。

算数オリンピック金メダリストは灘高トップ合格も

村上氏:ではりんご塾に通い算数オリンピックでメダルを取った子はその後どういう進路に行くかです。


メダリストのその後

  • 銅メダリスト 各地域の上位校に合格
  • 銀メダリスト 各地域のトップ校に合格
  • 金メダリスト トップ校に上位で合格

田邉氏:算数オリンピックでのキッズBEEでは、金銀銅を合わせて400名が受賞します。このメダリストたちは地域の上位校に進学できます。銀メダル以上のトップ200名はさらに地域のトップ校。

村上氏:金メダルの子たちはどうでしょう。

田邉氏:金メダルになると、例えば私の地元である関西なら灘高校にトップ合格する。

村上氏:算数オリンピックでメダルを取ることと、難関校を目指して受験勉強をしていくことは共通している部分があるといことですね。

メダルを取れなくても挑戦した子どもたちの未来

村上氏:では、予選落ちし子どもたちは進学で失敗したかというとそうではない。


予選通過できなかった人は失敗か?

  • 4年連続予選落ち→京都大学農学部合格
  • 3年連続予選落ち→京都大学農学部合格
  • 3年連続予選落ち→東京大学文化Ⅰ類合格

田邉氏:落としてばかりいたら僕も街を歩けないじゃないですか(笑)

地元のスーパーで保護者さんにお会いすることもありますが、「ありがとうございます」と言われます。実際に子どもたちに聞いてみると、「算数オリンピックは失敗したけど、受験は成功しました!」とうれしいことを言ってくれます。

思うに、この子たちは算数オリンピックに挑戦する中で、受験に必要なことを小学生の最初の3年間で経験している。記憶力だけで受験を戦ったのではなく思考力で受験を戦ったんだと。それに、落ちる経験もしているのでメンタルも鍛えられているのも強いところだと思います。

村上氏:田邉先生がおっしゃっていることに、答えを教えっちゃだめだっていうのがありますが、今の話にもつながってくることがあるように思います。行錯誤を重ねて、誤りを恐れずに挑戦することでたとえ予選落ちしても受験では結果を出すことができる。

田邉氏:そうですね。間違ってもいいので挑戦することが大事です。りんご塾での算数オリンピックへの挑戦は勉強というよりも、一つの競技だととらえています。

先ほどの真ん中の子は、3年生で入塾したときに「クラスメイトはスポーツの大会で活躍したり、足が速いと褒められる。でも僕は算数が得意だからがり勉だと言われる」と言っていました。一つの結果からいうとこの子はメダルは取れなかった。でも受験では結果を残したし、「考えることが楽しかった」と言っていました。

村上氏:競技としてとらえると、「予選落ちしたからダメ」なのではなく、挑戦することにも意味が見出せますね。

田邉氏:その通りです。実際、算数オリンピックのレベル感で見ると説く問題は学年を3つも4つも飛び越えていくし、当然学校のテストでは満点でメダルを取れなかったとしても全然心配ない。

そのためにもまずは算数を楽しいと思えるような工夫をしていくことですね。

終わりに 「授業で『答えを言うのは野暮』と言える子どもを」

村上氏:最後に、今日お集まりいただいた保護者の皆さまへメッセージをお願いします。

田邉氏:実は昔、大手出版社に教材の持ち込みをしたときは、自費出版すら断られた経験があります(笑)。それが今では、多くの方に認められて本が出せるようになり、本当にありがたいと思っています。ここから年間5〜10冊、将来的には100冊、200冊と、子どもたちが心から楽しめる「なぞなぞ」のような教材を作り続けていきたいです。

学校の勉強を「義務の苦行」ではなく、「面白いなぞなぞ」だと思ってもらいたい。そして、学校の授業で先生が答えを言いそうになったときに、子どもたちが「先生、なぞなぞの答えを先に言っちゃうなんて、野暮ってものですよ」と言い出すような、考えることを粋に感じる子どもたちをこれからもたくさん育てていきたいと思っています。

村上氏:考えることを楽しむ姿勢こそが、一生モノの知性になりますね。田邉先生、本日は貴重なお話をありがとうございました。

田邉氏:ありがとうございました。


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